キャベツは人類の歴史が始まった時から存在していた植物といわれていて、西ヨーロッパの地中海沿岸が生まれ故郷です。
この地方では「クレティカ」と呼ばれる野生のキャベツが今でも自生しています。
日本へ上陸したのかなり古く、1709年に刊行された農学書「大和本草」にオランダナ、サンネンナと非結球型のケールと思われるものが記録。
ところが、この時代にはこれを「野菜」として改良されずに観賞用の「葉ボタン」が作られただけでした。
現在のように活発的にキャベツが栽培されるようになったのは明治時代の初年から。欧米諸国からさまざまな品種が取り入れられた後になります。
目次
春キャベツ
春玉(はるたま)とも呼ばれ、秋にタネをまいて春に収穫。葉の巻きがゆるいのが持ち味で、早春から店頭に並び始めます。やわらかくサラダなどの生食がおすすめ。
冬キャベツ
寒玉(かんだま)とも呼ばれます。夏にタネをまき、冬に収獲されます。葉はしっかりと何重にも巻いているため重量感がある。煮込むと甘味がでるので、ロールキャベツなどにピッタリ。
高原キャベツ
春まきをして夏から秋にかけて収獲。群馬の嬬恋村(つまごいむら)長野は野辺山(のべやま)がおもな産地。夏から秋にかけて出荷されるこの時期の嬬恋村産のキャベツは、全国の総出荷量の半分の売り上げを占める日本一のキャベツ産地でもある。
プチベール
ケールと芽キャベツから誕生。丸くならないタイプで、栄養素の高さは芽キャベツ以上。ビタミンやカロテンが豊富に含まれています。2~3分ほどゆでてサラダやパスタ、炒め物に使います。おひたしにしてもおいしいですよ。
紫キャベツ
一般のキャベツと同じ仲間で、紫色はアントシアニンによるもの。サラダやピクルスに用いられ、様々なお料理のシーンで食卓に彩を添えてくれます。
サボイキャベツ
縮緬(ちりめん)キャベツとも呼ばれる。フランスのサヴォワ地方の品種で、葉がちりめん状にちぢれているのが特徴です。ちぢれによる弾力性のおかげで輸送性が高く、日もちがいいので、かつては船の食料として重宝されていました。煮込み向き。
芽キャベツ
葉のつけ根にできるわき芽が、枝にならず結球したもの。ビタミンCが豊富で一般的なキャベツの4倍を含みます。丸のまま調理し、煮込みや炒め物、漬物にします。キャベツより味は濃厚ですが、ややクドいです。
カーボロネロ
黒キャベツとも呼ばれ、チリメンキャベツの結球しないタイプ。繊維が多く、風味が強いので煮込みに向いています。
コールラビ
別名は蕪キャベツ。球状に発達した茎を食べます。サラダやピクルスのほか、蕪料理と同じように調理できます。
ケール
葉を青汁にするケールは、キャベツの原種といわれていて、このケールをもとに葉が大きく変化したのがキャベツ。花が大きくなったものがブロッコリーやカリフラワーに。ビタミンCとカロテンがとっても豊富で煮込みのほかサラダやスープに使われます。
カイラン
別名チャイニーズブロッコリー。キャベツの仲間では珍しく気温が高い熱帯、亜熱帯に分布。中国や香港ではとっても身近なやさいのひとつで、若い茎葉(けいよう)を沸騰したお湯に油を入てゆでた後、オイスターソースをかけて食べるのがもっともポピュラー。
最後に
最近ではロールキャベツの専門店があるくらいまでに人気が高まり、生産が増加中のキャベツ。過剰な胃酸の分泌を抑えて粘膜の修復を助けるといわれるビタミンUもたくさん含んでいます。
サラダなど生で食べるのが簡単でおいしい食べ方ですが、煮ればホクホクとしたうまみが活きるキャベツの仲間もあります。
近年品種もいろいろあって一年じゅう店頭に並んでいますので見かけたら、ぜひご試食してみてくださいね。